2018年2月13日

古田史学会報

144号

1,多元史観と『不改の常典』
 正木 裕

2,須恵器窯跡群の多元史観
大和朝廷一元史観への挑戦
 古賀達也

3,住吉神社は一大率であった
 原幸子

4,隋書俀国伝「犬を跨ぐ」について
 大原重雄

5,四国の高良神社
見えてきた大宝元年の神社再編
 別役政光

6,「壹」から始める古田史学十四
「倭国大乱」
范曄の『後漢書』と陳寿の『魏志倭人伝』
古田史学の会事務局長 正木裕

7,平成三〇年(二〇一八)新年のご挨拶
古田先生三回忌を終え、再加速の年に
古田史学の会・代表 古賀達也

 

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平成三〇年(二〇一八)新年のご挨拶

古田先生三回忌を終え、再加速の年に

古田史学の会・代表 古賀達也

 平成三〇年を迎え、新年のご挨拶を申し上げます。古田先生が亡くなられ、昨年は三回忌を迎えました。今でも古田先生の夢を見ることがあり、先生の著作を読み返すと、古田先生との思い出が一つまた一つと、よみがえることも多くなりました。先生と初めてお会いした日から三十年の永きにわたりいただいた学恩に感謝の念がこみ上げてきます。
 昨年の「古田史学の会」は、学問研究の分野でも古田史学の輪を広げる運動面でも大きく前進しました。たとえば、九州王朝説に基づく古代官道をテーマとした肥沼孝治さんや合田洋一さんの研究を引き継ぐように山田春廣さん別役政光さん、そして西村秀己さんによる優れた論稿が発表されました。これらの論文は、本年三月発刊予定の『発見された倭京 太宰府都城と官道』(仮称。『古代に真実を求めて』二一集、明石書店)に収録されます。同書では近年発見された筑紫土塁(筑紫野市)の紹介や九州王朝(倭国)の都城(倭京・太宰府)研究が特集されており、九州王朝研究の精華といえる一冊になるでしょう。
 他方、友好団体の「多元的古代研究会」「古田武彦と古代史を研究する会(東京古田会)」「倭国を徹底して研究する 九州古代史の会」との友好交流も深まりました。わたしや正木裕さん、服部静尚さんの論稿が各会の機関紙に掲載されるようになり、全国の古田学派研究者との学術交流も進展しました。
 更に、『失われた倭国年号《大和朝廷以前》』の出版記念講演会を東京・大阪・福岡で開催しました。そのおりには当地の友好団体のご協力を賜りました。改めて御礼申し上げます。大阪では関西例会や遺跡巡りの他に、正木さん主宰の「誰も知らなかった古代史」(略称・だれ知ら古代史会)も毎月開催され、広く一般市民に向けて古田史学を紹介する取り組みがなされています。大阪市(福島区歴史研究会)や松本市(邪馬壹国研究会)、久留米大学(公開講座)などにも講師を派遣し、古田史学の宣伝と友好に努めました。「古田史学の会」の地域の会(北海道・仙台・東海・四国)でも特色ある活動が続けられています。
 わたしの個人的研究テーマとしては、九州王朝律令(常色律令)の復元研究に新年は取り組みたいと考えています。古田先生と初めてお会いした若き日の感動を心に燃やし続け、研究や「古田史学の会」発展のために、再加速の一年にしたいと思います。会員の皆様のご支援をお願い申しあげます。


 これは会報の公開です。史料批判は、『新・古代学』(新泉社)・『古代に真実を求めて』(明石書店)が適当です。

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