山誉種蒔漁猟祭
(やまほめたねまきかりすなどりのまつり)
四月十五日
この祭事は、春にその年の五穀豊穰や漁業・狩猟の安全を祈願する「山誉種蒔漁猟祭」、秋に収穫された穀物や魚類を親善に供え、これを感謝する「山誉漁猟祭」(十一月十五日)と、春秋の二度にわたり執り行われています。
本殿・今宮社の祭典の後に行われる神事は、神功皇后の三韓出兵の際、その食前において古くより伝わる山誉の神事を奉仕したことが伝えられています。皇后はこの神事を「志賀島に打ち寄せる波が絶えるまで伝えよ」と庇護し、今に伝承されています。
神事の中で社人(古老)たちが唱える詞は、「あゝら よいやま しげったやま」と山を誉め称え、たとえ酔い伏せていても「志賀三社 志賀大明神のちからをもって 一ぴきたりとものがしはせぬ」と鹿を狩り、「よせてつる」「いくせでつる」と鯛を釣る様子を表現しています。また、この中で「きみがよは ちよにやちよに さざれいしの いわおとなりて こけのむすまで」と唱えられる詞は、国歌「君が代」の起源とする説もあるようですが、その真意は定かではありません。
春に五穀豊穣を祈る「祈年祭」、秋に収穫を感謝する「新嘗祭」と当社の「山誉祭」はその意味において何ら相違はありませんが、古より伝えられてきた素朴かつ劇的である故に他に類をみないものとして、昭和三十五年一月五日に福岡県無形民俗分文化財の指定を受けております。
志賀海神社 社務所
写真2 今宮社でおこなわれる大祓の祝詞
写真3 山誉め祭神事
写真4 山誉め祭神事 「君が代」が語られる光景
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制作 古田史学の会