『古代に真実を求めて -- 「日本書紀」に息づく九州王朝 第二十四集


【巻頭言】

読者の運命が変わる瞬

古田史学の会・代表 古賀達也

 読む人の運命を劇的に変える本があります。もし、あなたが日本古代史に関心があるならば、次の本を心からお 薦めします。古田武彦著『「邪馬台国」 はなかったーー解読された倭人伝の謎』(朝日新聞社、一九七一年。ミネルヴァ書房より復刻)です。
 昭和四十六年(一九七一)に発行され、ベストセラーとなった著者の古代史処女作である同書の発刊五十周」記念して、わたしたちは本書『俾年弥呼ひみかと邪馬壹国やまゐこく -- 古田武彦『「邪馬台国 はなかった』発刊五十周年 』(『古代に>真実を求めて』二十四集)を上梓しました。収録した特集論文は、いずれも「古田史学の会」 の研究者による最新の 研究成果から精選されたもので、先に出版した『邪馬壹国の歴史学』(ミネルヴァ書房、二〇一六年)の続編の性格も 持っています。この機会に併せ読んでいただければ幸いです。
 本書の特集は総論 ・ 各論 ・ コラムからなり、総論では『「邪馬台国」 はなかった』発刊以来の学問史、著者の学説 と学問の方法、提起された諸仮説の発展の高みを概観できます。各論では、その高みから諸仮説の深層をのぞき見 ることができます。そして、コラムにより諸仮説の広がりを感じ取ることができるよう、工夫がこらされています。
 古田武彦氏は二〇一五年十月に鬼籍に入られましたが(享年九十(満八十九歳)、その学問と学説は本書執筆陣に 脈々と受け継がれています。本書を読まれたあなたにも、真実を愛する精神と情熱を共有できることでしょう。そのとき、あなたの運命は大きく変わるはずです。わたしたちがそうであったように。

     古田史学の会 代表 古賀達也
         令和二年(二〇二〇)十二月一日、筆了


『古代に真実を求めて -- 「日本書紀」に息づく九州王朝 第二十四集

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