市民の古代研究会会長 今井久順
私たちの『市民の古代』が十集にとなりました。読者の皆様、御愛読いただき誠にありがとうございます。
当初、数名で皇国史観に片よらない古田史学を広めようと発足し、今や会員四百名を越え年を経るごとに益々増えております。
創刊第一集『古田武彦とともに』を一九七九年に発刊し、刊を重ねて参りました。これも一重に会員、読者のたまものです。ここまで続けることが出来ましたのは、特に会員各自のの意識、熱意、そしてチームワークが固かったからでしょうが、経済的自立、場所の確保といった側面も決して無視出来ないと思います。会員の皆様がそれぞれの職業を持ちながら夜おそくまで校正に勤められ、それに手弁当で自腹をきってまで頑張って来られました。
又、会の一環として「古墳探訪」班(現、「遣跡めぐりの会」の前身)を一九八〇年から五年間二六回に渡って近畿の名のある古墳を下見して(ガソリン代も出せなかった様に思う)案内して下さった会員、「中国文献を読む会」では御夫婦で室の確保、書籍のコピー等に奔走して下さる会員、月一回の講演会の教室の確保、こういった会員の熱意が、縁の下の力持が、『市民の古代』へつながったと思います。さあこんどは二十集を目ざして。