東京都 渡辺好庸
「古田武彦とともに」も大きく発展し、十年を迎えることになりました。この会の活動が、日本の歴史に対するあらゆるイデオロギー的解釈を排し、歴史の真実をひとつひとつ実証していこう、という熱意に貫かれたものであったことは、本集に至る『市民の古代』のすべてに満ちあふれているように思えます。しかし、この十年は、私たちのこのような努力を一瞬にして押し流してしまう力が、急速に大きくなってきた十年でもありました。「天皇」が、これほどあからさまに語られはじめたいまこそ、日本天皇にもっともラジカルに挑戦した古田史学が、民衆の知的武器としてもっともっと鍛えられなければならないと思います。
これからの新たな十年が、この会にとっても本当の正念場になるのではないでしょうか。着実に、そして大胆に、がんばりましょう。