天は人の上に人を造らず・・・と云へり 総覧へ
藤田友治氏作成『東日流外三郡誌』「人の上に人を造らず、」一覧へ
『東日流外三郡誌』(昭和五八年一二月二五日発行)
17,津軽審偽史録 秋田孝季 寛政五(一七九三)年 六巻 348〜49
請行無常の中におのが一代を飾り、いやしき身分を貴家に血縁し、いつしか皇縁高官職の血脈とぞ世人に思はすはいつの世の(ママ)富や権を掌据[握カ]せる者の常なり。然るに、その実相はかくなれやと審さば人皆祖にして、平なりとぞ思ふべし。
津軽藩主とて為信のその上を審さば、今なる血縁なきいやしき野武士物盗りのたぐいなり。
いつぞや世とて勝者は過去の罪障も滅却すといふごとく、人ぞ皆蓮の根ある処の如く審さば泥の内に芯根もつものばかりなり。
然るに実相を消滅し、天の理に叶はずとも無き過去を作説し、いつしか真史の如くならむ事末代に遺るを吾は怒るなり。津軽の藩史は偽なり。
依て吾は外三郡誌を以て是を末代に遺し置きて流転の末代に聖者顕れ是を怖れず世にいださむために記し置くもなり。
寛政五年 秋田孝季
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