これは旧版(1970年 4月15日発行 人と思想 8 Centry Books 清水書院刊)の目次集です。
親鸞
●人と思想
古 田 武 彦 著
8
Centry Books 清水書院
承元元年、大弾圧はくだった。親鸞は、師の法然とともに、流罪人とされた。親鸞の心にもっとも深い怒りを刻みつけたのは、同志、住蓮・安楽の死刑だ。よこしまな腹立ちから、かれらを御所の庭にひきすえた後鳥羽上皇。その面前で、安楽は、不法の弾圧者は必ず滅びると、断言したという。親鸞は、流罪中、この権力者の行為に、はげしく抗議した。「主上・臣下、法にそむき、義にたがう」と、かれは九〇歳の死にいたるまで、この思想的節操をかえることはなかったのである。
だから親鸞の生涯をひと言でいえば、「生き残り、生きぬいた住蓮・安楽」としての一生だった。
その 住蓮・安楽の墓は、いま、京都東山の法然院の隣に、ささやかに存在している。
目次集
読者との約束 3
きみとわたしとのめぐりあい 3
きみへの注文 6
親鸞について ー青年は親鸞を愛する 7
わたしが親鸞に会ったとき 7
弟子一人(いちにん)ももたず 8
真実に偏執(へんしつ)しよう 10
親鸞とマルクス 12
目次(略)
I. 半生(はんせい)の霧
生きた親鸞を探求しよう 20
無動寺谷のおもいで 20
親鸞の肖像画 21
本願寺への道 22
親鸞はいなかった! 23
筆跡による存在証明 24
伝記への挑戦 25
中沢史学の意味 31
伝説から光が! 33
霧の中の真実 33
礒長の夢告 38
なぜ真実は隠されていたか 39
二十代の青春 42
堂僧 45
大乗院の夢告 46
山を降りる 49
恵心尼文書 49
女犯の偈文 52
親鸞の足どり 54
たとい地獄でも 55
女犯の偈文の意義 56
問いつめる女 57
II. 斗いと思想の生涯 61
ー裏切らざる人生ー
人間に会う! 62
人民の苦しみと専修念仏運動 62
時代の相(すがた) 62
稚児のなげき 63
専修念仏(せんじゅねんぶつ) 65
法然との出会い 70
本願に帰す 7o
法然と親鸞の間 71
吉水の法然 73
『選択集』 74
スポンサー兼実 75
親鸞の見た法然 76
ミダの化身としての法然 78
南都北嶺の攻撃 80
ー権力と宗教の野合ー 80
七箇条の起請文 80
南都の奏上 82
天皇が法に背いた 88
承元の大弾圧 88
住蓮・安楽 88
安楽の面魂 91
都を追われる 95
ー越後流罪と承元の奉状ー 95
流罪 95
承元の奉状 96
承元の奉状をめぐる論争史 98
承元の奉状の立場 101
越後における親鸞 102
二人の妻 105
親鸞の妻と子 105
一人妻説は成りたたない 106
親鸞の子どもと、その母 109
同時に二人の妻 112
師を失った孤独の中で 115
東国親鸞教団の誕生 115
法然の死と東国への旅 115
なぜ東国へ 117
何をめざして 118
生きている住蓮・安楽の書 121
ー生涯の著述『教行信証』ー 121
『教行信証』はなぜつくられたか 121
生きている住蓮・安楽 122
親鸞という名まえの意味125
体験と歴史の論理 127
ー三願転入の告白ー 127
三願転入の論理 127
「今」を求めて 129
宗学の誤りの深い根 132
反体制への転化の論理 133
三願とは何か 135
『教行信証』はいつ作られたか 137
科学的な筆跡判定法 141
思いもがけぬところに鍵が 143
果てしなき内と外との斗い 146
東国時代の心の斗い 146
一切経校 148合
思想は弾圧にうちかつ 153
念仏禁圧令の中の帰郷 153
京に帰る 153
あいつぐ念仏禁止令 158
弾圧と帰郷 160
分裂の中の悲劇163
ー建長の弾圧と親子の義絶ー 163
建長の弾圧 163
護国思想の問題 165
服部之総の投じた石 168
性信の『血脈文集』 170
四つの手紙 171
善信と親鸞の同一証明 172
分割支配の論理を打ち破る 173
生きながら仏にひとしきわれら 174
性信の人間像 175
蓮光寺本発見の糸口 176
善鸞義絶 178
金剛神心を守り、弾圧者のために祈れ 182
逆謗闡提(ぎゃくぼうせんだい)182
逆謗闡提の歴史 184
親鸞の逆謗闡提 185
五逆にあらざる われら 186
近代宗学の落とし穴 188
法然の意志 190
恩光の応答 191
親鸞生涯の回答 194
正しく恵まんとおぼす 195
後鳥羽院 196
親鸞の死 197
III 永遠の対話 201
ー『歎異抄』ー
『歎異抄』ー解説 202
『歎異抄』ー親鸞のことばと私のこたえー 206
宗教は滅び親鸞はよみがえる 238
あとがきー若き魂への手紙ー 242
年譜 244
参考文献 247
さくいん 248
目次そのものは古田武彦著作集1 親鸞・思想史研究編 『親鸞』ー人と思想ーと同じです。
新古代学の扉 事務局 E-mail sinkodai@furutasigaku.jp
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