古田史学の会

入会のご案内

『古田史学会報』原稿募集要項

会報投稿のコツ(1)〜(4)を掲載

「洛洛メール便」は配信停止になりました。記録はブログにあります。

 

 

■多くの会員が古田氏に触発されて、自分でも古田説をさらに展開しようと、例会に発表し、会報に投稿されています。

・「古田史学の会」は1994年4月に結成され、活動は20年目に入りました。  現在、札幌・仙台・名古屋・大阪でほぼ月一回の例会を行なっており、それぞれ会員が自分たちで勉強したことを発表し、情報交換をしています。また現地見学会も、仙台や関西、東海を中心に盛んに行っています。このような各地例会での交流を通して、古田氏の説を学び、さらに新しい見方を探る活動をしています。

・例会や現地見学会での交流の中から、会報「古田史学会報」(年六回)や機関誌『古代に真実を求めて』(年一回発行)の投稿が数多く行なわれています。

・またインターネットでは、古田武彦氏の著作集抜粋・講演記録・著作索引、そして古田史学会報(現在百号まで)、市民の古代索引や会員の電子書籍(『中村幸雄論集』・『神武が来た道』)などを公開しています。必要な論文は検索機能により簡単に見つけ出すことができます。多くの方に有効に利用され「古田史学の論理と方法」をさらに理解してもらうべく活動をしています。さらに英文ホームページの充実も図っており、海外からのアクセスも増えています。

 

 当会は検索を目的として、ホームページを公開しています。特に意見を発表されるときは、都道府県などの図書館で書籍で確認して下さい。(申しわけありませんが人気の書籍は、三ヶ月以上待ちです。また『古田史学会報』でなく、『古代に真実を求めて』、『新・古代学』で確認してください。)
 又I-siteもご利用下さい。
    10月からChromeなどのウェブブラウザーでは「保護されていません」という表示が出ることがあります。「保護されていません」と表示されても問題ありません

 

■志を持たれたら、会費を振り込んで連絡して下さい。

 あなたも古田氏の著作や講演記録、そして『古代に真実を求めて』や『古田史学会報』を読まれて、触発されたなら共に研鑽するため入会しませんか。
 また古田氏の活動を支援するために入会してください。

よろしくお願いいたします。

年会費
3000円/年(会報年六回)
5000円/年(会報年六回+機関誌『古代に真実を求めて』一号分)
郵便振込口座 01010-6-30873 古田史学の会

古田史学の会
代表 古賀達也


事務局長 正木裕
【住所】 〒666-0115
兵庫県川西市向陽台1-2-116

【電話番号】090−4909−8158
 
Internet担当 横田幸男
【住所】 〒544-0033
大阪府生野区勝山北5−10−3
【電話番号】06−6770−5329


申し込み・連絡は事務局か、sinkodai@furutasigaku.jp 迄、お寄せください。

 

 

入会案内(Jul08)(nyukai.pdf)古い入会案内です。参考までに。事務局までご連絡ください。



ホームページ

 

『古田史学会報』原稿募集

 『古田史学会報』では古田史学・多元史観に相応しい原稿を募集しています。ワープロ原稿の場合はフロッピー若しくはCDを同封して下さい。(但し、経費節減の観点から返却は致しませんので、お手元にコピーをお残し下さい)
 原稿は縦書きを前提に文字(漢数字等)を使用し、ルビ・傍線・タブ・インデント・テキストボックス等特殊機能は使用せず原稿段階でのレイアウトは行わないで下さい。原稿形式をテキストにして下さるとなお有り難く存じます。ルビ・傍線等は原稿に朱筆して戴ければ編集の際記入致します。
 また原稿は出来るだけ簡潔に、論点も一つか二つに絞った短いものをお願いします。長くとも三頁(四百字詰め原稿用紙十五枚程度)までに纏めて戴ければ掲載し易くなりますので、ご留意下さい。
 尚、採否は編集部にご一任下さい。
編集部 〒602‐0841
京都市上京区河原町通り今出川下る
            古賀達也
         tel/fax 075-251-1571

 

 

2015年3月3日 「会報投稿のコツ」を掲載

古賀達也の洛中洛外日記
第357話 2011/12/06

会報投稿のコツ(1)

 最近、ありがたいことに「古田史学会報」への投稿が増えています。ところが、大変申し訳ないのですが、不採用になる原稿も少なからずあります。せっかく会員の方が苦労して書かれた原稿を没にするのは心苦しいのですが、会報を楽しみにされている会員読者のことを考えると、その期待に応えられる原稿を掲載することが編集部の責任ですし、スペース上の制約もあります。
 そこで、せっかく書かれた原稿がより採用されるよう、論文執筆のコツや、原稿採否基準などについて、少し説明したいと思います。
 まず、会報採否の流れについて、ご説明します。わたしに送られてきた原稿は、最初にわたしが次の四分類にわけます。

A採用 優れた論文で、次号に掲載すべき。
B採用 採用合格だが、次号でなくてもよい。
C採用 必ずしも採用基準に達してはいないが、会報スペースが空いていれば掲載可。
D不採用 採用すべきでない。

 このように分類した原稿を、編集担当の西村さんに転送し、わたしの判断が適切かチェックしてもらい、両者合意の上で最終決定します。もし、両者の見解がどうしても不一致の場合は、水野代表に判断を求めることになりますが、今まで一度もそのようなことはありませんでした。
 また、投稿原稿とは別に、編集部からの依頼原稿や転載依頼原稿もありますが、こちらは原則としてよほどのことが無い限り掲載します。そうしないと失礼ですから。
 こうした分類により、会報には常に優れた原稿が優先的に掲載されるようにし、読者に読みごたえのある会報を提供できるよう努めています。従って、投稿時期や採用時期の順に掲載されるわけでは必ずしもありません。
 なお、投稿の際にCDやフロッピーのみ送られてくる方もごくまれにありますが、必ず印刷したものも送ってください。
 上記のように、まずABCD分類しますから、自信のある方はABを狙っていただくとして、初心者の方はC採用を狙うことをおすすめします。Cだと後回しにされて、なかなか掲載されないのですが、実は次の点がクリアされていれば掲載される可能性がCでもぐっと上がります。

1.千字以内の短文。
2.新情報が含まれており、読者の興味を引ける。

 編集作業をしていて、少し空きスペースが発生する場合があります。そこにちょうど埋まる短文原稿があれば、C原稿でも掲載されるチャンスが生まれるのです。もちろんAB採用で短い論文であれば、更に優先的に掲載されます。

第358話 2011/12/07

会報投稿のコツ(2)

 今日は愛知県一宮市に来ています。この町には真澄田神社というお社があり、尾張一宮の社格を持っています。尾張の一宮が熱田神宮ではなくて、なぜ真澄田神社なのかという面白いテーマがあり、以前から気になっている神社です。
 話題を戻します。「古田史学会報」の投稿原稿は研究論文が中心ですが、その他に書評や地方新聞などに掲載されたローカルでユニークな新情報の紹介なども対象となります。あるいは遺跡巡りや博物館見学の報告などもOKです。
 研究はちょっと苦手という会員の方はこうした投稿に挑戦されてはいかがでしょうか。会報の内容が研究論文中心ですから、意外と掲載されます。ただし、この場合でも字数に留意してください。会報2ページ程度を目安にされると、採用の確率がアップします。
 特に古田先生の新刊書評はかなりの確率で採用されますので、是非ご投稿ください。ただ、書評の場合は会報1ページ以内でお願いします。新刊書評は、内容にあまり差がなければ、早い者勝ちです。
 古田先生の講演録(概略や感想文でも可)に至っては、お願いしてでも掲載したい原稿ですから、大歓迎です。
 これから注目されそうなのがインターネットによる検索情報やデータの紹介です。関西例会で竹村順弘さんが得意とされている「ワザ」で、これなどもテーマ選定やデータ解析の切り口次第では結構面白い記事となります。皆さんの創意工夫をこらした投稿をお待ちしています。

第359話 2011/12/09

会報投稿のコツ(3)

 今日は大阪にいます。わたしが仕事の関係で理事をさせていただいている「繊維応用技術研究会」の講演会が大阪のホテルで開催されており、その休憩時間に書いています。それでは「会報投稿のコツ」の続きです。 
 会報の花形はやはり一面トップ論文です。基本的に投稿原稿の中から最も優れたタイムリーな原稿が一面に掲載されます。読者もそういう目で読まれますから、一面にどの原稿を採用するかは、編集部の見識や力量も問われ、西村さんが毎号悩まれることになります。一面にふさわしい投稿が無いときは、それこそ大変で、常連投稿者に頼み込んで急遽書いてもらうということもありました。 
 採用される研究論文の評価ポイントがありますが、特に留意していただきたいことは次の諸点です。

1.最初に何を論証したのかという結論を明記してください。最後まで読まないと何が言いたいのかわからない原稿では困ります。研究論文は推理小説とは違うと言うことをご理解ください。 
2.論証の根拠とした史料や文献は必ず出典を明記してください。必要があれば関係部分を引用してください。そうしないと読者がその新説の当否を検証できませんから。史料根拠が示されていない論文は学術論文の体をなしていません。 
3.先行説と自説をはっきりと分けて記述し、先行説の出典も明記してください。学問は学説の積み重ね、あるいは淘汰しながら発展しますから、賛成にせよ反対にせよ先行説にふれない論文もまた学術論文として不十分です。もちろん、先行説が存在しないほどの先駆的研究であれば別ですが。あるいは、説明や紹介の必要性がないほど周知の通説は、省略してもかまわない場合があります。 
4.論証と断定を意識的に区別してください。「没」になる理由の大半がこれらが区別されず、自らの断定を論証と勘違いされているケースなのです。「まわりが何と言おうがわたしはこう思う」は断定であり、「誰が考えても、どのように考えてもこうならざるを得ない」という説明が論証です。 
5.自説に不利な史料や先行説を無視軽視せず紹介した上で、どういう理由や根拠で自説の方が有力・合理的であるかを、読者が理解できる平明な言葉と論理性で説明してください。

 おおよそ以上の点が審査項目ですが、現実にはかなり甘く判定しています。常連投稿者になると、厳しく審査しますが、初投稿者の場合は、エールを送る意味から甘くしています。 
 それから、あれもこれも論証しようとして「大論文」にしてしまう方も見られますが、会報はスペース上の制限がありますので、なるべく1テーマに的を絞ったシャープな切れ味の論文が望まれます。どうしても「大論文」にされたい場合は、「古田史学会報」ではなく会誌「古代に真実を求めて」に投稿をお願いします。

第360話 2011/12/11

会報投稿のコツ(4)

 続けてきました「会報投稿のコツ」も今回が最後となります。テーマは「論証」です。
 わたしが古田先生の著作に感銘を受けて、「市民の古代研究会」に入会したのが、今から25年前でした。その後、わたしも研究論文を書きたくなり、へたくそながら「市民の古代ニュース」などに投稿を始めたのですが、最初にぶつかった壁が「論証」でした。古田先生からは「論証は学問の命」と教えられました。ですから、論証が成立していなければ学術論文として失格です。ところが論証とは何か、どうすれば論証したことになるのかという、基本的なことがなかなか理解できませんでした。
 その時、一つのヒントになったのが中小路俊逸先生(故人・追手門学院大学教授)の「ああも言えれば、こうも言えるというのは論証ではない」という言葉でした。言い換えれば、「誰が考えても、どのように考えても、このようにしか言えない」と説明することが論証するということなのです。しかし、わたしが真にこのことを理解できたのは、さらにその数年後でした。
 和田家文書偽作キャンペーンの勃発により「市民の古代研究会」は分裂し、少数派に陥ったわたしは水野さんらとともに「古田史学の会」を立ち上げたのですが、マスコミも巻き込んで執拗に続けられる偽作キャンペーンと古田バッシングに対して、わたしたちは学術論文で対抗しました。
 その時は「やるか、やられるか」という真剣勝負でした。しかも、その勝敗・優劣を決めるのは多くの読者、あるいは裁判所の裁判官でした(裁判所への陳述書も書きました)。わたしがどう思うかではなく、第三者が偽作論者の主張とわたしたちの主張とのどちらが正しいと考えるかが勝敗を分けるのです。そこにおいて、第三者を納得させることができるのは、証拠(史料根拠)の提示と「論証」だけでした。
 このときの胃の痛くなるような経験が、わたしにとって学問における「論証」の何たるかを、より深く理解できる機会となったのです。その意味では、わたしは偽作キャンペーンに「感謝」しています。あのときのあの経験がなければ、今でも「論証」の意味を深く理解できていなかったかもしれないからです。
 会報に投稿される古田学派の研究者の皆さん。どうか、学問の命である論証を何よりも大切にした論文を送ってください。たとえその結論に反対であっても、わたしや西村さんが掲載せざるを得ないようなするどい原稿を心からお待ちしています。