『新・古代学』 第5集 へ
電子書籍(PDF版)「三角縁神獣鏡の史料批判 -- 三角縁人獣鏡論」

三角縁神獣鏡の史料批判 --三角縁人獣鏡論 古田武彦

調査概要1  国分神社蔵三銅鏡の鈕調査概要  1999 年 8 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂
調査概要2  島根県神原神社古墳出土「景□三年」銘銅鏡の鈕調査概要  2000 年 6 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂
調査概要3  「青龍三年」銘銅鏡二種の鈕について調査概要  2000 年 8 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂


『新・古代学』古田武彦とともに 第5集 2001年 新泉社

方格規矩式鏡の形式についての一考察

鈕孔の向きに注目して

谷本茂

 大田南5号墳(京都府)から出土した「青龍三年」銘のある方格規矩四神鏡、あるいはこれと同型鏡と言われている安満宮山古墳(大阪府高槻市)から出土した方格規矩四神鏡には通常の中国出土の類鏡と比較して際立った特徴がみられる。TLV紋様のL字形が通例のものと異なり、逆Lではなく順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見ての形状である(丁字形を正立の位置からその上のL字形を見て)ことと、鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向(あるいは直角方向)ではなく方格の対角線方向であることがすでに指摘されている。しかも、上記二面の鏡は紋様や銘文はほとんど同じであるにもかかわらず、鈕孔の向きは約九〇度異なっている。
 鈕孔の向きとL字形の向きに注目して、改めて今までに出土している方格規矩鏡を整理してみたのが本稿末の表「方格規矩式銅鏡の形式」である。兵庫県立図書館蔵および私蔵の手近な資料をとりあえずまとめてみた。鈕孔の向きが明確に判別可能な写真資料をもとに、上記二面を除いて計一〇二面の方格規矩式鏡を紙上調査した。

 

鈕孔の向き

方格規矩鏡の文様例 方格規矩式鏡の形式についての一考察 鈕孔の向きに注目して 谷本茂 『新・古代学』古田武彦とともに 第5集 2001年 新泉社

 通例は方格の辺に対して同じ向き(あるいは見方を変えれば直角方向)に鈕孔が貫通している。方格の中に十二辰の銘があるものでは、午鈕孔の向きとL字形の向き方向子の方向がほとんどであるが、No.5、No.42、No.98は例外である。
 一方、鈕孔が対角線方向に貫通している鏡は一〇二面中五面ある。No.25、No.28、No.68、No.91、No.102である。このうち、No.25とNo.28の二面は鋳上がりがあまり良くなく尖頂断面縁(三角縁?)をもつという。また、外銘が左回り(No.262の掲載写真が裏焼きと仮定した場合)という特徴も共通している。L字形は二面とも逆Lだと思われる。中国出土の鏡で、梁上椿氏は漢代末三国時代の作とすべきと言う。ただし、出土地、紋様と銘文内容の不一致など疑問の残る点もある。
 No.68は椿井大塚山古墳出土のもので、L字形が順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見てとなっていて四神のうち龍が欠落している。外銘文は右回りである。
 No.91は洛陽出土のもの。十二辰の銘はなく「君宜高官」の四文字がある。L字形は逆Lである。No.102は鄂城出土のもの。簡化規矩四神鏡と呼ばれるもので、LVの字形はない。内銘はなく外銘は右回りとなっている。
 以上の五面を観察すると、中国鏡にも鈕孔の向きが方格の対角線方向に貫通しているものが少ない割合ながら存在しているらしいことがわかる。ここで、注目しているNo.103、No.104と同じ形式的特徴を持つ鏡は、No.68だけであり、いずれも日本の古墳から出土したものであることに注意しておくべきであろう。すなわち、No.68、No.103、No.104は十二辰銘入り方格の対角線方向に貫通する鈕孔を持ち、L字形の形状が順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見てである。一方、中国出土のNo.25、No.28については、L字形は逆Lであるが、粗末な鋳上がり、尖頂断面縁、左回りの外銘文、というように本来の中国製銅鏡か疑問を生じる点が少なくないので、実物の詳細調査なくして中国製と判断するのは慎重に保留しておくべきかと思われる。
 No.91とNo.102とは一応中国製と認める立場に立てば、十二辰方格規矩四神鏡とは少し異なる範疇あるいは系列の規矩式鏡として、鈕孔の向きが必ずしも方格辺の向きと同じではない実例とみなすことができる。ただし、最終的な論定には実物の詳細調査が必要なことは論を俟たない。

 

L字形の形状

 一〇二面中少なくとも一四面が順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見ての形状を持つ。特に日本出土の鏡にこの形状のものが多い。明らかに中国製と認められる方格規矩鏡には順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見てはまったく存在しない。
 No.12は出土地不明で、梁上椿氏は「日本で模造したもの」という。
 椿井大塚山古墳出土のNo.68は『椿井大塚山古墳と三角縁神獣鏡』では「中国鏡」と断定されているが、前述の点からも、またL字形の形状(順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て)からも中国製とするには大きな疑問が残る。

 以上いずれも写真資料の判読によるため確実な断定ができない部分もあり遺憾であるが、おおむね方格規矩鏡の形状の特徴(あるいは傾向)を統計的に把握できたと思う。他の特徴を含めた全体的な資料の整理と考察は後日に期したい。実物観察の経験を多く経ないと多面的な考察は困難と感じるからである。資料を収集するなかで、鈕、縁、銘文、三次元形状などの情報がほとんど提供されていない実情を知ることになり、出土状況を含めた基本的な鏡に関する情報をデータベース化する必要性を痛感した。

【出 典】
『巌窟蔵鏡[日訳]』梁上椿著、田中琢・岡村秀典訳(同朋舎出版、一九八九年)
『古鏡図録[新潮社版]』樋口隆康編(新潮社、一九七九年)
『椿井大塚山古墳と三角縁神獣鏡』京都大学文学部(思文閣出版、一九八九年)
『古鏡出土品展示目録』宮内庁書陵部(ぎょうせい、一九九二年)
『古鏡図鑑』梅原末治編(黒川古文化研究所、一九五一年)
『鏡』明治大学考古学博物館蔵品目録1(明治大学考古学博物館、一九八八年)
『新・古代史発掘 一九八三~八七年 新遺跡カタログ』アサヒグラフ編(朝日新聞社、一九八八年)
『図説中国古代銅鏡史』孔祥星・劉一曼著、高倉洋彰他訳(中国書店、一九九一年)
『洛陽出土銅鏡』洛陽博物館編(文物出版社、一九八八年)
『漢唐紀年鏡図録』劉永明編著(江蘇古籍出版社、一九九九年)
『鄂城漢三国六朝銅鏡』湖北省博物館・鄂州市博物館編(文物出版社、一九八六年)

方格規矩式銅鏡の形式(鈕孔の向きとL型紋様の違いについて)

谷本茂作成

No.

名称 掲載資料・文献 掲載頁
・番号
鈕孔の向き Lの
形状
備考
1 尚方十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL34 - 238 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
2 尚方十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL35 - 239 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 同右
3 尚方十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL35 - 240 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 同右
4 尚方十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL35 - 241 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 同右
5 尚方十二辰怪神禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL36 - 242 (午)鈕孔の向きとL字形の向き方向(酉) 逆L 内銘「子丑申酉戌巳卯未寅午辰亥」。外銘は右回り。
6 尚方四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL35 - 243 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
7 尚方四神規矩御鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL35 - 244 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
8 尚方四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL36 - 245 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
9 尚方四神規矩佳鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL36 - 246 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
10 尚方四神規矩佳鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL36 - 247 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
11 尚方四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL36 - 248 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
12 尚方禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL37 - 249 鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て 梁氏は「日本で模造したもの」という。出土地不明。(写真から判断すると三角縁である可能性が高い。)外銘は右回り。Lの形状が異例。

13 金銀錯大山神人禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL37 - 250 鈕孔の向きとL字形の向き方向   (Lなし)外銘は右回り。
14 新名善銅十二辰禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 251 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
15 新善銅四神十二辰規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL37 - 252 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 同右

16 新善銅四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL37 - 253 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
17 新善銅四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL37 - 254 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L (Vなし)外銘は右回り。
18 新善銅四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 255 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
19 漢善銅四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 256 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
20 漢善銅四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 257 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
21 漢善銅禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 258 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 同右
22 漢善銅禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL38 - 259 鈕孔の向きとL字形の向き方向   (LVなし)外銘は右回り。
23 漢善銅禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL39 - 260 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L (Vなし)外銘は右回り。
24 漢善銅蕨文規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL39 - 261 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
25 青銅八鳥規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL39 - 262 対角線方向

逆L

順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て

(Vなし)内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。掲載写真は裏焼きの可能性が高い。そうであれば、Lの形状は逆Lである。鋳上がりは、やや粗末。尖頂断面縁(三角縁?)。外銘は左回り。
26 王氏四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 263 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
27 朱氏十二辰四神規矩明鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL39 - 264 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
28 工師古獣規矩佳鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 265 対角線方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。この鏡はPL39 - 二六二に類似する。鋳上がりはあまりよくない。尖頂断面縁。外銘は左回り。
29 仙人芝草四神
十二辰規矩善佳鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL39 - 266 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。

30 仙人四神規矩佳鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 267 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
31 仙人四神規矩佳鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 268 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
32 仙人四神十二辰
規矩佳鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 269 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
33 来言蕨文規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL40 - 270 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
34 来言十二辰
蕨文規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL41 - 271 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
35 来言十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL42 - 272 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
36 来言禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL41 - 273 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
37 上太山蕨文規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL41-274 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
38 日熹月富四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL41 - 275 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 内銘右回り。外銘なし。
39 延年益壽四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL41 - 276 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 内銘右回り。外銘なし。
40 日利万大四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL41 - 277 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L V字内に銘。
41 長宜官秩十二辰
四神規矩鏡
巌窟蔵鏡[日訳] PL42 - 278 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘なし。
42 十二辰四鳥規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL42 - 279 (卯)鈕孔の向きとL字形の向き方向(酉) 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘なし。
43 十二辰四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 280 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未中酉戌亥」。外銘なし。
44 四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 281 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
45 四神規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 282 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
46 仙人禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 283 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
47 怪神禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 284 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
48 怪神禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 285 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
49 蕨文規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 286 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
50 八鳥規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 287 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
51 八鳥規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL43 - 288 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 「尖頭断面縁(三角縁?)。六朝時代の日本製。日本または朝鮮の出土か」。きわめて粗雑なつくりで、整ったところがない。
52 龍虎規矩小鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 289 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
53 龍虎規矩小鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 290 鈕孔の向きとL字形の向き方向   (Lなし)
54 方勝禽獣規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 291 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
55 蕨文T形規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 293 鈕孔の向きとL字形の向き方向   「朝鮮・楽浪出土か」(LVなし)
56 五乳禽獣帯T形規矩鏡 巌窟蔵鏡[日訳] PL44 - 295 鈕孔の向きとL字形の向き方向   (LVなし)
57 鍍金方格規矩四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
原色図版4 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘なし。



58 素縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版36 - 70 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
59 鍍金銘帯縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版36 - 71 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
60 複波文縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版37 - 72 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
61 規矩瑞獣博文鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版37 - 73 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
62 鍍金銘帯縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版38 - 74 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
63 流雲文縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版39 - 75 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
64 鍍金四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版39 - 76 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘なし。
65 円圏方格規矩四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版40 - 77 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
66 獣文縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版41 - 79 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
67 唐草文縁四神鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版41 - 80 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 外銘は右回り。
68 鋸歯文縁四神鏡
/方格規矩四神鏡
古鏡図録
[新潮社版]
/椿井大塚山古墳と三角縁神獣鏡
[思文閣]
図版42 - 81
/p39 - 35
対角線方向 順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て 内銘「(子)丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。Lの形状が異例。四神のうち龍が欠落。椿井大塚山古墳出土。
69 画象文縁四神鏡
(T形規矩鏡)
古鏡図録
[新潮社版]
図版42 - 82 鈕孔の向きとL字形の向き方向   (LVなし)外銘は右回り。
70 方格規矩渦文鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版43 - 83 鈕孔の向きとL字形の向き方向(4孔) 逆L 内銘「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」。外銘は右回り。
71 方格規矩渦文鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版43 - 84 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 内銘「子孫長宜」。外銘は右回り。
72 方格規矩渦文鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版44 - 86 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
73 方格規矩四神鏡/
変形方格規矩四神鏡
古鏡図録[新潮社版]
/古鏡 出土品展示目録[宮内庁書陵部]

図版
152 - 307
/p17 - 20

 

鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L

内銘「子丑寅卯辰未午巳酉子申亥」擬銘。

Lの形状が異例。

74 方格規矩八獣鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版
153 - 308
鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L Lの形状が異例。
75 方格規矩八獣鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版
153 - 309
鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
76 方格規矩八獣鏡 古鏡図録
[新潮社版]
図版
154 - 310
鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て Lの形状が異例。
77 方格規矩変形禽文鏡 古鏡図鑑 36 鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て 縁部が三角縁に近い断面である。銘なし。伝向日町出土。
78 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p16 - 17 鈕孔の向きとL字形の向き方向 ?逆L 掲載写真が裏焼きの可能性あり。
79 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p16 - 18 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
80 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p16 - 19 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
81 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p17 - 20 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
82 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p27 - 49 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
83 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p27 - 50 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
84 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p31 - 67 鈕孔の向きとL字形の向き方向? 逆L Lの形状が異例。
(石膏模造写真)
85 変形方格規矩四神鏡 古鏡 
出土品展示目録
[宮内庁書陵部]
p31 - 68 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L Lの形状が異例。
(石膏模造写真)
86 方格規矩四神鏡
 明治大学考古学博物館蔵品目録1
A51 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。 外銘はなし。
87 方格規矩四神鏡
 明治大学考古学博物館蔵品目録1
A93 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。 外銘は右回り。
88 方格規矩鳥文鏡
(津古生掛古墳出土)
新・古代史発掘 [朝日新聞一九八八年]   鈕孔の向きとL字形の向き方向 順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て Lの形状が異例。 鈕孔がいびつ。銘文なし。
89 四神規矩鏡 中国古代銅鏡史 写57 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 西安市賀家村1号墓出土。 直径二〇三㎜。
90 鳥獣文規矩鏡 中国古代銅鏡史 写58 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L 広州四〇〇八号漢墓出土。直径一三六㎜。
91 東漢 鳥獣規矩鏡 洛陽出土銅鏡 2 対角線方向 逆L 方格鈕座の四隅に「君宜高官」四字。直径一五八㎜・五六六g洛陽・谷水八七号墳出土。洛陽博物館蔵。
92 西漢 祥云規矩鏡 洛陽出土銅鏡 24 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
93 西漢 幾何紋規矩鏡 洛陽出土銅鏡 25 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
94 新莽 鳥獣規矩鏡 洛陽出土銅鏡 29 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。外銘は右回り。
95 新莽 鳥獣規矩鏡 洛陽出土銅鏡 30 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
96 新莽 四神規矩鏡 洛陽出土銅鏡 31 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
97 東漢 鳥獣規矩紋鏡 洛陽出土銅鏡 40 鈕孔の向きとL字形の向き方向 逆L  
98 王莽 天鳳二年
八乳方格四神鏡
漢唐紀年鏡図録 p4 (卯)鈕孔の向きとL字形の向き方向(酉) 逆L 内銘は十二辰。外銘は右回り。
99 規矩四神鏡 鄂城
漢三国六朝銅鏡
5 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。外銘は右回り。
100 規矩四神鏡 鄂城
漢三国六朝銅鏡
6 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。外銘は右回り。
101 規矩八禽鏡 鄂城
漢三国六朝銅鏡
7 鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向 逆L 内銘は十二辰。外銘は左回り。
102 簡易規矩四神鏡 鄂城
漢三国六朝銅鏡
13 対角線方向   (LVなし)外銘右回り「漢有善同出丹陽和以銀錫清照□」。直径一一二㎜。年三月六日西山水泥原出土。内銘なし。 一九七一
103 青龍三年銘方格規矩四神鏡
(安満宮山古墳出土)
  対角線方向
(丑・寅 )
/(未・申)
順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て 内銘は十二辰。外銘は右回り。
104 青龍三年銘方格規矩四神鏡
(大田南5号墳出土)
  対角線方向(辰・巳)
/(戌・亥)
順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見て 同上。紋様は上と同じだが、鈕孔の向きは約九〇度異なる
凡例:「鈕孔の向き」欄の鈕孔の向きとL字形の向き方向は方格の辺と同じ方向であることを示す鈕孔の向きが方格の辺の向きと同じ方向かつ方格の中に十二辰の銘があるものは午→子の方向鈕孔の方向が内銘十二辰の文字のほぼ午と子を結ぶ方向であることを示す。
「L」の形状」欄はT字形を正立に観て、順L --T字形を正率の位置からその上のL字形を見てあるいは逆Lを示す。
備考欄の「内銘」は方格内部の銘文のこと。「外銘は」外部帯状の銘文。


三角縁神獣鏡の史料批判 --三角縁人獣鏡論 古田武彦

調査概要1  国分神社蔵三銅鏡の鈕調査概要  1999 年 8 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂
調査概要2  島根県神原神社古墳出土「景□三年」銘銅鏡の鈕調査概要  2000 年 6 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂
調査概要3  「青龍三年」銘銅鏡二種の鈕について調査概要  2000 年 8 月 古田武彦 藤田友治 谷本茂

電子書籍(PDF版)「三角縁神獣鏡の史料批判 -- 三角縁人獣鏡論」

第二章 邪馬一国から九州王朝へ II王仲殊論文への批判 古田武彦 『よみがえる九州王朝』 へ

三角縁神獣鏡の盲点 -- これは卑弥呼の鏡ではないpart2(古田武彦講演会 二〇〇〇年七月九日)

『新・古代学』 第5集 へ

ホームページへ


これは研究誌の公開です。史料批判は、『新・古代学』各号と引用文献を確認してお願いいたします。

新古代学の扉 インターネット事務局 E-mailは、ここから

Created & Maintaince by“ Yukio Yokota“