2019年8月13日

古田史学会報

153号

1,誉田山古墳の史料批判
 谷本 茂

2,河内巨大古墳造営者の論点整理
 倭国時代の近畿天皇家
 日野智貴

3,『日本書紀』への挑戦
《大阪歴博編》
 古賀達也

4,「壹」から始める古田史学十九
「磐井の乱」とは何か(3)
古田史学の会事務局長 正木 裕

5,割付担当の穴埋めヨタ話
 玉依姫・考Ⅱ

 編集後記 西村秀己

 

 

古田史学会報一覧

割付担当の穴埋めヨタ話6 玉依姫・考 (会報113号)
割付担当の穴埋めヨタ話 『太平記』の中の壬申の乱(会報156号)

割付担当の穴埋めヨタ話

玉依姫・考Ⅱ

西村秀己

 小生(わたくし)二〇一二年十二月会報一一三号の穴埋めヨタ話で、定説では「玉依姫」は神の妻だが、正しくは神或いは偉人の母であるとの説を発表した。
 ところが、二〇一六年七月(小生が読んだのは文庫化された二〇一八年五月だが)文藝春秋社より安部智里(あべちさと)(一九九一年生)の八咫烏シリーズの第五作「玉依姫」が発刊された。
 「玉依姫」の主人公志帆は化け物のような「山神」のゴク(人身御供)として掠われるのだが、やがて「山神」の母として「玉依姫」となり「山神」や八咫烏たちを救うというストーリーだ。(実際にはそれほど単純ではない)

母上には、敵わぬな」
「そりゃあ、あなたの玉依姫ですもの」

 顔を上げた時、山神の顔つきは、確かに志帆が椿と名付けた、御子神のものとなっていた。(文庫三四九頁)
 この「玉依姫」の原型は安部氏が女子高校生だった二〇〇八年に書かれていて、同年の松本清張賞に応募し最終選考まで残ったものの、「ここでデビューさせるのは本人のためにならない」との理由で選ばれなかったそうだ。(つまり―小生の名誉の為に付言すると―活字化されなかった)二〇一二年安部氏は「玉依姫」の脇役だった「八咫烏」を主人公とする「烏に単は似合わない」でデビューを果たし、第六作「弥栄の烏」で「八咫烏シリーズ」第一部を完結させている。
 尚、今年の内には第二部が始まるそうである。タイトルは「楽園の烏」。安部氏が第一部との整合性をどう取るのか、大いに楽しみではある。


編集後記

 会報一五三号をお届けします。谷本さんはさすがの安定の論考です。日野君(君呼ばわりごめんなさい)は初登場ながら長文の論考がそれを理由に一号遅れとなりました。(もう少し短いと掲載し易いのですよ、皆さん)
 さて、本号では一段分の原稿不足。四苦八苦の末「八咫烏シリーズ」の紹介でお茶を濁しました。ご容赦を。(西村)


 これは会報の公開です。

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