古田史学の会・インターネットホームページ
『新・古代学の扉』が更に充実
索引や電子書籍や検索を充実
東大阪市 横田幸男
一九九六年十月一日に本会のホームページを開設してから六年あまりになります。そのあいだに先頭の「案内」にアクセスしていただいた方は英語版六万人、日本語版九万人の計十五万人です。各種の調査によれば、ホームページの「案内」から入る人の二〜三倍の人がアクセスしているとのことです。ですが私どものホームページは、一度来れば後からは「案内」から入る人が多いと思いますので、二〇万人を越える人々にアクセスして頂いていると考えています。一度でもアクセスした方はその5パーセントの一万人では。現在ではホームページとしては古参の方になり、古代史の中では古田武彦氏のホームページとして認知されていると考えています。
現時点で古田氏の英文は、全てインターネット版(HTML)・電子書籍版(PDF)、共に掲載しています。合わせて古田氏の講演や時事的な問題提起も率先して掲載しております。『古田史学会報』も、現在三十五号までHTML版として公開しています。年末には四十一号まで掲載する方針です。それと愛知県瀬戸市の林研心氏の御協力により、本や講演集の目次を集めた『古田武彦著作索引』は二〇〇一年度版まで掲載し、合わせて私どもの会員が多く所属していた旧「市民の古代研究会」の会誌であった『市民の古代』(十六集まで)や『市民の古代ニュース』の索引も掲載してあります。二〇〇二年にはそれなりに充実してきたと考えましたのでホームページ内全文検索エンジンmserchを導入しました。過去の会報、索引とあわせて、mserchも活用していただければ幸いです。
新たに二〇〇三年度から会員の論説コーナーとして「闘論」コーナーを設け、『天孫降臨と神武東征』・『短里と二倍年暦』をテーマに、古賀氏をはじめとして会報などに掲載された会員の論文を発表しています。この二つのテーマとも結果として見れば、残念ながら歴史学や古代史の議論のテーマとして扱われおらず、認識論上の結節点としてさまざな論議の種になっています。これに対して本会が歴史の問題として、これらの問題を重なる形で提起することは、歴史学のみならず認識論上の問題としても意義があると思っています。もっともっと重なるような議論が出てくれば良いですね。
いま最大の問題はインターネットも普及すればするほど、情報が拡散する傾向にあります。残念ながら良質の情報を提供するホームページもあるのですが見つけるのが困難になりつつあります。また停止するなど、当初と比較するとかえって難しくなってきたと思います。
その中で良質の情報を提供する場所としての信頼を得るため、新たな試みとして『「法華義琉」の史料批判 中刷』(駿々堂 古田武彦著)を、インターネット(HTML)版抄録・電子書籍(PDF)版全文として掲載しました。他の電子書籍の発行も旧「市民の古代研究会」の中で掲載された論文などを中心に、御本人の了解を取り付けて発行することを視野に入れて考えています。なおpdfを読むためにはacrobat reader (無料)が必要です。
次に事務局から、インターネット上で、古田先生の講演ビデオや声を流せないかと提起がありました。これに対する対応は現在積極的に検討中です。声のみなら講演を厳選すれば、このブロードバンド(adsl・光ケーブル)時代に可能であると考えています。逆に言いますと資料をどのように提供するかが課題として残されいると考えます。インターネットテレビでの放送は、一九九七年のパーフェクトテレビで放映された『古田武彦の邪馬台国はなかったー日本古代史への招待』の初めの部分(二五分)を東京古田会に所属している方が、「日本古代史・市民探検隊(インターネット市民塾)」というところで放映していますので、検索して一度見て下さい。ホームページからもリンクしています。これを見るにはwindow mediaplayer(無料)が必要です。
次の段階としてインターネット上の資料を、検索という有効な活用を提起したいと思います。現在中国では『二十四史』などの古典が公開されております。また日本文学古典体系の公開が国文学資料館で行なわれています。これらの資料の利用は、許諾が必要ですので相手先に登録することが必要です。文献調査に関心のある方は、これらの古典を公開している機関に登録されて、検索調査されてはいかがでしょうが。ただしこれらの資料としての電子データは、『中華書記局』版や岩波『日本文学古典体系』に見られるように、明治以後を含む現在人の認識で改定されていますので、最終的には信頼できる版本(印影本であればなお良い)で再確認することが絶対必要です。“たかが検索、されど検索”の精神で、再検査して使用すれば非常に有効です。関係機関に登録されて、検索調査される方を募ります。
最後に関係各位と積極的にリンクして、古田史学の普及に勤めよとの声もありますが、インターネット上も現実の社会の縮図にほかならず、なかなか難しい状況です。私どもは、『「法華義琉(伝聖徳太子真筆本)」の史料批判 中刷』の公開を契機に、関係学術団体に史料批判の要請と、リンクの要請を積極的に行いたいと考えています。リンクの問題は、資料の検索以外は、どのような協調関係を築くかという問題とからんできますので、お互いに慎重に対処しているようです。
私どもの会や協賛団体以外のホームページにも、注目すべきホームページが数多くありますが、リンクして紹介するには至っていません。一例として愛知県の学校の先生方が行っている授業改革フェスティバルでは、「〈邪馬台国探しの旅を〉をしよう」と題して、邪馬壱国の位置を電卓で短里で計算しながら求める授業の試みなどが紹介されています。ですが「〈邪馬台国探しの旅を〉をしよう」そのもののインターネットでの紹介が部分的ですので、積極的な応援を控えています。部分的に古田史学を積極的に応用されていたり紹介されているところは、たくさん有りますが距離の取り方が問題で、リンクするには至っていません。今後は一括して紹介するなど、考えてはみたいと思ってます。
以上、現況報告まで。
これは会報の公開です。史料批判は、『新・古代学』(新泉社)、『古代に真実を求めて』(明石書店)が適当です。
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